過去の代表理事挨拶

内山充

 平成16年の通常国会で成立した薬剤師教育年限の延長に関する「薬剤師法」および「学校教育法」の改正は、「安心、安全な医療の担い手にふさわしい質の高い薬剤師を養成する」ことを最終目的としています。
 法改正は薬剤師の長年の念願が成就したものではありますが、これは薬剤師にとってはまさに出発点であり、法改正の目的を具体的に達成し、薬剤師業務に対する人々の信頼を得るためには、すべての薬剤師についてこれまでにも増して生涯研修の充実拡大が必要とされます。
 生涯研修に当たっては、単に与えられた学習機会に参加するだけではなく、継続的に専門性を向上させるcontinuing professional development(CPD)、すなわち自らの知識レベルを正しく自己診断して研修計画を立て、それを実行してその効果を評価し次の研修計画に反映させる、というサイクルを実行する必要があります。その受け皿として、責任を持って質の高い生涯研修を提供し、成果の記録認定を実施する機関(生涯研修プロバイダー)の全国的な整備が急務となります。 そして、今後薬剤師関連の多くの組織・団体の中から、各種の優れた研修認定制度が生まれることが期待されます。
 本認証機構は、研修認定制度実施母体からの申請に基づき、提出された資料等をもとに、制度の目的、計画、内容、運営基盤等を評価し、基準に適合する場合にはそれを認証して結果を公表することにより、それらの適正健全な発展を支援したいと考えています。
 薬剤師のCompetence(能力・適性)の向上を通じて、わが国における医療の質の向上と保健・福祉の充実に役立つことができるように、本認証機構の目指すところをご理解の上、社会から求められ認められる各種認定制度の拡充にご協力いただきたくお願い申し上げます。

代表理事  内山  充





吉田武美

 薬剤師生涯研修制度の初期の立ち上げの頃から、生涯研修を実施する機関(生涯研修プロバーダー)の第三者評価機関として、本認証機構の公益社団法人認定から今日に至るまで、多大なご貢献をなされた内山 充 前代表理事の後任として、この重職を務めております。
 平成16年の薬剤師教育年限延長に関する「薬剤師法」や「学校教育法」の改正による薬学6年制教育で育った薬剤師が社会に輩出され、活動されていますが、法改正の最終目的は、「安心、安全な医療の担い手にふさわしい質の高い薬剤師を養成する」ことにあります。その目的を具体的に達成し、薬剤師業務に対する人々からの信頼を得るためには、大学から継ぎ目のない生涯研修を、すべての薬剤師が自らの責任行為として実践していくことが望まれます。
 時勢に対応して薬剤師の職能は大きく変化し、特に臨床関連業務が増え、チーム医療の中で薬剤師が貢献することが、社会や医療関係者からも期待されています。薬剤師が薬の専門家として、個々の患者への薬の適正使用、薬害や重篤な副作用防止などに責任をもって対処できるように生涯学習を進めていくことが求められます。また、薬剤師は、社会や地域住民の生活環境や健康・保健を支える役割も求められています。薬剤師が健全な倫理観のもとで、医薬品や生活環境化学物質に対する幅広い知識を提供できるためにも、生涯研修制度の多方面からの整備が必要となります。
 本認証機構では、薬剤師に対して、責任を持って質の高い、優れた生涯研修を提供し、研修成果の記録認定を実施する生涯研修プロバイダーとして、多くの生涯研修制度及び特定領域研修制度を認証しています。また、「求められる薬剤師の道程」と「薬剤師生涯研修の在り方」について提言いたしております。是非ホームページにアクセスしていただき、その内容を確認いただくとともに、既認証の生涯研修プロバイダーを認知して下さい。今後さらに、大学、薬剤師関連組織・団体の中から各種の優れた生涯研修制度が生まれ、全国的に薬剤師の生涯学習とその記録認定が可能となっていくことを期待します。
 薬剤師の知識、能力や適性の向上を通して、わが国の医療の質、保健・福祉の充実、生活環境の健全さの維持・向上に役立つことができるように、本認証機構の目指す方向性をご理解の上、社会から求められ、認められる各種生涯研修制度の拡充が進んでいきますようご協力いただけることをお願い申し上げます。

代表理事  吉田 武美