(財)日本薬剤師研修センター 巻頭言 2004年10月 

期待にこたえられることを保証する「薬剤師認定制度認証機構
薬剤師認定制度認証機構理事長 内山 充
 去る5月14日に「学校教育法の一部を改正する法律」が、さらに今国会の会期最終日の一日前である6月15日に「薬剤師法の一部を改正する法律」が成立して、薬剤師及び薬学教育関係者にとって長年の懸案事項であった薬剤師養成教育の6年制が決まりました。

 自分は世の中から期待されているだろうか、ということを考えたことがありますか。世の中といわずとも、職場でも家族にも期待されているかどうかは、われわれにとっては重大問題です。期待されていると思えばこそ、その期待にこたえようと努力をするし、できたことを知ってもらいたくもなるでしょう。また、これでいいのかと常に自省して改善する努力もするようになります。

その代わり、期待されているだけに何かと批判にさらされたり注文がつくことも多いでしょう。だからなまじ期待されないほうが良いという気になるかもしれません。しかし、期待されなければ努力や改善の意欲は湧かず、成果もなく、批判されない代わりに存在価値もないこととなります。期待に伴う批判や注文はすべて自己発展の支えとなり駆動力となるはずです。期待されることはありがたいことです。しかし期待されていてもそれに気がつかなければ発展の力とはなりません。

薬学教育の6年制実現は、薬剤師に対する期待の高まりをきっかけとしています。薬剤師が生涯にわたり職能の向上に努めて患者主体の医療に貢献し、さらには特定領域の医療に役立つ専門薬剤師の能力を身につけることが、世間からの大きな期待となってきました。薬剤師はそれをしっかりと認識しなければなりません。それは同時に世間に対する薬剤師の義務にもなるのです。しかし反面、「学習して優れた職能を身につけたとか専門領域で医療に貢献できると言っても、誰が一体保証するの?」という声も聞こえてきます。

 薬剤師にとってこの数年間は薬剤師の存立をかけた重大な時期といえるでしょう。生涯研修認定や専門薬剤師の認定を通じて期待にこたえる努力をしていることを具体的に示すことができれば将来への展望が開けます。しかしそれがいい加減だったり見てくればかりだったりしたら薬剤師に対する信用は一気に落ちてしまいます。

 生涯研修や専門薬剤師の認定がしっかりした基準に適合する内容と水準であることを客観的に保証するのが、新しく発足した「有限責任中間法人薬剤師認定制度認証機構」の役割なのです。薬剤師の将来を左右することにもなりかねないという意味で責任の重さを感じています。