(財)日本薬剤師研修センター 巻頭言 2003年2月

薬剤師の認証制度について

                   

 

前号に続き本号では、認証制度の整備について紹介したい。われわれは近い将来、薬剤師の卒後教育に関連する各団体の参加を得て、「薬剤師認証制度協議会」(Council on Pharmaceutical Credentials, CPC)の設立を提案したいと考えている。

これは、免許取得後の薬剤師が自ら積極的に習得した能力・適性(Competence)を、客観的に証明するための認証制度の運営を適切に行い、相互の調整を図り、評価を行うための機関である。

わが国では現在、当センターの「研修認定薬剤師制度」のほか、薬剤師の自己研鑽に対して幾つかの認定、証明、あるいは称号の給付などがなされ、また計画されている。薬剤師の生涯研修を充実し資質を向上するという目的を達成するためには、薬剤師に関する個々の認証・認定制度を自然発生に任せてそれらの事後調整を図るという方策よりも、予め各種の認証制度についての位置づけ、目的、内容に関して、薬剤師全体の合意を形成しておく必要が生じてきたというのが、この提案の理由である。

薬剤師には、薬学の専門職能を行う資格として薬剤師免許が与えられている。免許は終身制であり、免許更新のために研修などを受けることが法規で義務化されているわけではないとはいえ、薬剤師が、医療の担い手としての能力・適性を常に維持することは、患者、医療従事者あるいは世間一般に対する義務といえる。

故に、変化の激しい薬学専門領域に携わる薬剤師にとって、免許取得後の生涯にわたる継続的な学習は必須となろう。そのために薬剤師は、それぞれの目標に合致し条件に適合した研修等を選び自己研鑚に励むべきである。そして、自らの業務の質を保証して客観的信頼を得るためには、単に自己研鑽を積むことのみに終わらず、その成果を証書(Credentials)として示すことが必要となる。そのための制度整備の提案である。

免許取得後の薬剤師に対して行われる認証制度(大学院の学位授与制度は含まない)を、目的と内容にしたがって分類すると次のようになると考えられる。

1.生涯研修制度:免許更新に代わる自己学習成果を認証するもので、全認証制度の基盤である。一般課題を個人の計画に基づいて行うものと、特定の課題について一定の計画に従って行うものとがある。

2.専門薬剤師制度:薬剤師の専門職能の中の特別の領域における習熟を認証するもの。

3.薬剤師顕彰制度:勤務経験や業務・研究に関する実績を認証するもの。

それぞれの制度は、一定の基準に適合する組織により運営される必要がある。また、名称はいずれも仮称であり、今後衆知を集めて最終的名称としたい。

 わが国の薬剤師の認証制度について、今後上記のように考え方を整理し対応することにより、認証制度全体をより効果的に発展させることができると考える。

平成15年2月                      理事長  内山充