(2001年3月)

薬剤師への証書−クレデンシャル−の整備
 

(財)日本薬剤師研修センター
     理事長 内 山 充

 薬剤師は、個人個人が薬学という専門職能を実践する資格を有し、したがって患者あるいは他の医療従事者さらには社会全体にとって価値ある存在であることを自任しているが、それを証明して信頼を得るためには、薬剤師が各種の所要条件を満たしていることを示す証書(Credential)が必要である。  

 特に最近は、医療分野の変化が急速でますます複雑となり、また薬剤師が果たす臨床的な役割が大きくなってきているとともに薬剤師が専門化したケアを提供する能力を備える必要が増して来ている。このように変化し複雑化する領域では、生涯にわたって適格な能力を維持することとその証明が求められる。  

薬剤師は日本に限らず諸外国でも、薬学の実務に必要な教育課程を修了して学位を取得し、就業開始のための試験に合格して免許を取得する。ここまでのCredentialすなわち卒業証書と免許証は明白だが、その後各自が自発的に取得する高度な知識や能力を認知する証書についてはいろいろな言葉が使われ、それの発行は各国とも各種の公的および私的の学術あるいは職能の団体が関与して行われている。

わが国では現在、免許取得後の薬剤師に対するCredentialとしては、当センターが関与する認定薬剤師(一般研修)証、実務研修修了証、CRC研修修了証、漢方薬・生薬認定(生薬学会と協力)証のほか、日本病院薬剤師会認定(実施は各都道府県病薬)証、日本医療薬学会認定証、および日本臨床薬理学会認定証がある。

アメリカでは古くから多くのCredentialが交付されてきたが、今後薬剤師が各種の医療サービスを行うに当たり資格を持っていることの確認に必要となると思われるCredentialについての共通理解を確立するために、薬学実務関係11団体の連合体として1999年の秋にCouncil on Credentialing in Pharmacy(CCP)が設立され、2000年9月に「薬学領域におけるCredentialing」という白書が公表された。日本の今後の体制整備にも大いに参考となる。内容は順次ご紹介したいが、日本でも個々の制度の相互調整よりも、全体としての薬剤師認定制度協議会(仮称)を組織する必要性を痛感している。